幽霊姫は止まれない!
 つまり今息切れしている私こそ正常で、平然としているオスキャルの方こそ体力オバケというやつなのである。間違いない。
 そう思った私は、休憩を求めるべく後ろを歩く聖女の方を振り返った。彼女もさっきのように呼吸荒くついてくるのに苦戦していることだろう。そう、思ったのだが。

「どうかしましたか? 姫様」
「えっ」
 振り向いた先には汗ひとつかかずにこれまた平然とした表情の聖女がいる。てっきり私のように息切れしていると思っていたので、彼女のこの様子に愕然とした。
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