幽霊姫は止まれない!
第七話 そんなところにあるなんて聞いてないっ
最後の材料の生息範囲、頭上。
頭上ってなんだ。明確にどこどこの上、みたいに書いてくれていないと、生息図にも記されていないのに探しようがない。幸か不幸かこの森自体はそこまで広くないのでしらみつぶしに探すことは出来るが、とにかく時間がかかるだろう。
なんとか探す範囲をもう少し絞れないものかと頭を悩ます。見落としがないかを端まで確認するが、これといった収穫がない。
「本当にそうなんです、俺は、俺こそが俺を一番好きで」
「だーっ、もうわかったってば! 考えてるんだから同じことをゴチャゴチャ言わないでくれるかしら!?」
図解書とにらめっこする私の背後で相変わらずごちゃごちゃと恋を拗らせているオスキャル。流石にそろそろ苛立ちを覚えた私が文句を言いながらオスキャルの方へと視線を向ける。てっきりうっとりとしながら自身への愛を語っているのかと思ったのに、何故かオスキャルの表情が想像よりずっと暗くて驚いた。
「ちょ、ちょっと!? オスキャルどうしたのよ、泣きそうじゃない!」
「は? 俺が、ですか?」
頭上ってなんだ。明確にどこどこの上、みたいに書いてくれていないと、生息図にも記されていないのに探しようがない。幸か不幸かこの森自体はそこまで広くないのでしらみつぶしに探すことは出来るが、とにかく時間がかかるだろう。
なんとか探す範囲をもう少し絞れないものかと頭を悩ます。見落としがないかを端まで確認するが、これといった収穫がない。
「本当にそうなんです、俺は、俺こそが俺を一番好きで」
「だーっ、もうわかったってば! 考えてるんだから同じことをゴチャゴチャ言わないでくれるかしら!?」
図解書とにらめっこする私の背後で相変わらずごちゃごちゃと恋を拗らせているオスキャル。流石にそろそろ苛立ちを覚えた私が文句を言いながらオスキャルの方へと視線を向ける。てっきりうっとりとしながら自身への愛を語っているのかと思ったのに、何故かオスキャルの表情が想像よりずっと暗くて驚いた。
「ちょ、ちょっと!? オスキャルどうしたのよ、泣きそうじゃない!」
「は? 俺が、ですか?」