幽霊姫は止まれない!
不思議そうにそう口にするが、表情は翳り顔色も悪い。辛いという感情を滲ませているオスキャルに、私は慌てて図解書を片付け駆け寄った。
「大丈夫なの!?」
色を失った彼の頬に手を伸ばすが、触れる寸前で顔を逸らされ避けられてしまう。
(あ、そうよね。好きな人がいるのに他の女になんか触られたくはないわよね)
そう納得したものの、どうしてか私の胸の奥がモヤッとした。
オスキャルへと伸ばした手を下げながら、この状況を考える。てっきり自分の愛が薬に作られたものではなく真実なのだと証明すべく解毒薬を求めているのかと思ったが、この表情を見るに違いそうだ。とすれば、解毒薬の材料集めを手伝ってくれているのは私が彼の主君だからで、本当は解毒薬なんて作りたくないのだろう。
彼が誰に恋をしていたとしても関係なく、私は彼の主君なのだ。主君である私がそれを望んでいれば、彼は騎士としてそれに従わなくてはならない。自分の想いなんて関係なく、だ。
(そんなに嫌なのかしら)
「大丈夫なの!?」
色を失った彼の頬に手を伸ばすが、触れる寸前で顔を逸らされ避けられてしまう。
(あ、そうよね。好きな人がいるのに他の女になんか触られたくはないわよね)
そう納得したものの、どうしてか私の胸の奥がモヤッとした。
オスキャルへと伸ばした手を下げながら、この状況を考える。てっきり自分の愛が薬に作られたものではなく真実なのだと証明すべく解毒薬を求めているのかと思ったが、この表情を見るに違いそうだ。とすれば、解毒薬の材料集めを手伝ってくれているのは私が彼の主君だからで、本当は解毒薬なんて作りたくないのだろう。
彼が誰に恋をしていたとしても関係なく、私は彼の主君なのだ。主君である私がそれを望んでいれば、彼は騎士としてそれに従わなくてはならない。自分の想いなんて関係なく、だ。
(そんなに嫌なのかしら)