幽霊姫は止まれない!
 大好きをどれだけ伝えてもたりないくらいだわ。子供だった私も、レディになった私も貴方はずっと見守っていてくれた。
 そんな貴方におばあちゃんになった姿を見せてあげられないこと、ごめんなさい。
 まぁ、長生きな貴方にとっては私はいくつになっても赤ちゃんなのかもしれないけれど。

 貴方は優しいから、自分を責めていると思います。
 でも、忘れないで?
 私は貴方が誇らしいわ。かつて私の家だったあの孤児院を救ってくれてありがとう。
 貴方ならきっと、もっとたくさんの人々を救えるでしょう。

 きっとこれを貴方が読んでいるということは、薬は間に合わなかったのね。
 最期を看取ってくれたのかしら? もし間に合わなかったのだとしても自分を責めないで。
 私は、最期のその瞬間まで大切な人のことを考えながら逝けるんだから。

 必ず貴方を残して先に逝ってしまう私のこと、怒っているかしら。
 今貴方を占めている感情が、どうかいいものでありますように。

 たまに思い出して、というのは私のわがままかしら。でもきっと許してくれるわよね。
 
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