幽霊姫は止まれない!
カサリと開いたその手紙へ視線を落としていたと思ったら、彼の目からぽろぽろと涙が溢れ出した。
その様子をただ見つめていると、二枚目へいくことなく私へ手渡され、戸惑ってしまう。
「えっと……」
「すまない、これ以上自分で読めそうにない。申し訳ないが読んではくれないか?」
「えぇ。わかったわ」
切実な声色に思わず頷き、少し戸惑いながら彼から手紙を受け取った。
手紙が三枚にも渡っていたが、一枚目が既に彼の涙で滲み一部読めなくなっている。
きっと涙でこれ以上読めなくなることを懸念したのだろう。
この手紙は、彼にとって何よりも大切な軌跡になるから。
なるべく落ち着いた声色になるよう意識し、受け取った手紙を音読し始める。
一番上に書かれていたのは、エルフの名前なのだろう。
「『……アルフォード、いつもありがとう。
貴方をはじめて見つけた時、その美しさにこれが動く彫刻だ、なんて勘違いして驚きから石を投げたこと、ごめんなさい。
あの時のことは今でもたまに思い出すけれど、私にとっては出会えた大切な思い出よ。貴方にとっては恐怖の思い出かもしれないけれどね。
その様子をただ見つめていると、二枚目へいくことなく私へ手渡され、戸惑ってしまう。
「えっと……」
「すまない、これ以上自分で読めそうにない。申し訳ないが読んではくれないか?」
「えぇ。わかったわ」
切実な声色に思わず頷き、少し戸惑いながら彼から手紙を受け取った。
手紙が三枚にも渡っていたが、一枚目が既に彼の涙で滲み一部読めなくなっている。
きっと涙でこれ以上読めなくなることを懸念したのだろう。
この手紙は、彼にとって何よりも大切な軌跡になるから。
なるべく落ち着いた声色になるよう意識し、受け取った手紙を音読し始める。
一番上に書かれていたのは、エルフの名前なのだろう。
「『……アルフォード、いつもありがとう。
貴方をはじめて見つけた時、その美しさにこれが動く彫刻だ、なんて勘違いして驚きから石を投げたこと、ごめんなさい。
あの時のことは今でもたまに思い出すけれど、私にとっては出会えた大切な思い出よ。貴方にとっては恐怖の思い出かもしれないけれどね。