幽霊姫は止まれない!
第七十七話 たとえ爵位があったとしても
「身分差とやらは知っている。メイルがよくそういった本を好んで読んでいたからな。新刊とやらを購入するために何度も町へ一緒に行ったのだ」
てっきり森の奥でのんびり気ままなスローライフをしていたのかと思っていたので、その意外な事実に思わずきょとんとする。
「あの小娘は姫だったな。お前は爵位とやらはないのか? だがそもそもお前は国でも有数な騎士だろう。ダメなのか」
「爵位は……俺自身は騎士爵を持ってるよ。ソードマスターだからね。家は伯爵家だ、三男だから継ぐ権利はないけど」
「騎士爵? そんな爵位は知らんが、伯爵家なら十分じゃないのか。本では伯爵令嬢は王子の婚約者になっていたぞ」
「それは……。あー、騎士爵は、騎士としての力を認められたり功績を認められた時に与えられる一代限りの爵位だ」
一代限りの爵位。褒賞として姫君を希うというのは全て本の中の出来事で、現実ではまずあり得ない。
「なら伯爵家はどうなのだ」
「伯爵家自体がダメなんてことはないよ」
「なら、お前が三男だからか?」
「いや、俺が男だから」
てっきり森の奥でのんびり気ままなスローライフをしていたのかと思っていたので、その意外な事実に思わずきょとんとする。
「あの小娘は姫だったな。お前は爵位とやらはないのか? だがそもそもお前は国でも有数な騎士だろう。ダメなのか」
「爵位は……俺自身は騎士爵を持ってるよ。ソードマスターだからね。家は伯爵家だ、三男だから継ぐ権利はないけど」
「騎士爵? そんな爵位は知らんが、伯爵家なら十分じゃないのか。本では伯爵令嬢は王子の婚約者になっていたぞ」
「それは……。あー、騎士爵は、騎士としての力を認められたり功績を認められた時に与えられる一代限りの爵位だ」
一代限りの爵位。褒賞として姫君を希うというのは全て本の中の出来事で、現実ではまずあり得ない。
「なら伯爵家はどうなのだ」
「伯爵家自体がダメなんてことはないよ」
「なら、お前が三男だからか?」
「いや、俺が男だから」