幽霊姫は止まれない!
俺の説明を聞いてなお怪訝な顔を向けるアルフォード。
確かにアルフォードの言っていた通り、伯爵家の令嬢が王家へ嫁ぐと言うのはあり得なくはない。むしろ変に爵位の高い家より可能性は高いほうだろう。だがそれは『嫁入り』だからだ。
「王家へ婿入り、なんてないよ。エヴァ様が唯一の後継者だったら話も変わるだろうけど……いや、その場合はなるべく後ろ盾になれるよう自国の高い貴族の令息が選ばれるかな。確かにアルフォードの奥さんが読んていた本のように伯爵家が王家と婚家になることはあるけど、王女が降嫁することはない」
もし俺が令嬢で、エヴァ様が王子であれば伯爵家は十分あり得る家格だった。王族の仲間入りを果たすなら。
けれど、王族が降嫁し入るには伯爵家だと身分が低すぎるのである。
しかも俺は三男、個人で爵位を持っていても、それは一代限りでもし俺が先に死ねばエヴァ様は貴族ですらなくなってしまうのだ。
(そんなこと、あってはならない)
だから俺は護衛の道を選んだのだ。最後は捨てられるとわかっていても、少しでも彼女の側にいたかった。
確かにアルフォードの言っていた通り、伯爵家の令嬢が王家へ嫁ぐと言うのはあり得なくはない。むしろ変に爵位の高い家より可能性は高いほうだろう。だがそれは『嫁入り』だからだ。
「王家へ婿入り、なんてないよ。エヴァ様が唯一の後継者だったら話も変わるだろうけど……いや、その場合はなるべく後ろ盾になれるよう自国の高い貴族の令息が選ばれるかな。確かにアルフォードの奥さんが読んていた本のように伯爵家が王家と婚家になることはあるけど、王女が降嫁することはない」
もし俺が令嬢で、エヴァ様が王子であれば伯爵家は十分あり得る家格だった。王族の仲間入りを果たすなら。
けれど、王族が降嫁し入るには伯爵家だと身分が低すぎるのである。
しかも俺は三男、個人で爵位を持っていても、それは一代限りでもし俺が先に死ねばエヴァ様は貴族ですらなくなってしまうのだ。
(そんなこと、あってはならない)
だから俺は護衛の道を選んだのだ。最後は捨てられるとわかっていても、少しでも彼女の側にいたかった。