幽霊姫は止まれない!
私がそうキッパリ言うと、兄が一瞬キョトンとした顔をする。それはそうだ、確かに王族の結婚相手に伯爵位は劣るものの、当然なしではない。王族へ嫁いでくるならばむしろ十分だし、今回は降嫁先だから不足なだけ。しかもオスキャルはソードマスターなのだ。その部分を足すと足りないどころか十分。十分だけれど──
(でも、それだと私に都合が良すぎるわ)
いつか国の為に自分の全てを犠牲にする覚悟で、それまでは遊ぶと決めたのは私。だからこそ幽霊姫なんて不名誉なあだ名を意気揚々と活かして今日までワガママ放題やってきたのだ。
それなのに、好きな人と結婚するなんて。
(私には許されないわ)
好きになってしまったこと自体が想定外だけど、それでも、好きになってしまった。
その人からも想いを貰った。
──そんな幸せ、家族から母を奪った私にあっていいはずないのだ。
私は、王族として国の為になんでも耐えるのだと決めて今日まできたのだから。
「オスキャルを護衛から外したのは……そういう理由じゃないんです。それよりお兄様、私の! 結婚相手の話です!」
(でも、それだと私に都合が良すぎるわ)
いつか国の為に自分の全てを犠牲にする覚悟で、それまでは遊ぶと決めたのは私。だからこそ幽霊姫なんて不名誉なあだ名を意気揚々と活かして今日までワガママ放題やってきたのだ。
それなのに、好きな人と結婚するなんて。
(私には許されないわ)
好きになってしまったこと自体が想定外だけど、それでも、好きになってしまった。
その人からも想いを貰った。
──そんな幸せ、家族から母を奪った私にあっていいはずないのだ。
私は、王族として国の為になんでも耐えるのだと決めて今日まできたのだから。
「オスキャルを護衛から外したのは……そういう理由じゃないんです。それよりお兄様、私の! 結婚相手の話です!」