幽霊姫は止まれない!
第八十九話 まさかそんなに好都合な?
「第一王子で、まだ婚約者がいらっしゃらない方が?」
いや、兄もまだ婚約者はいないけれど、まさか他国にも同じような方がいたとは、と思わず目を見開いてしまう。
「年齢はニ十四歳」
「若いですね、もしや側妃がいっぱいいたり?」
「いや、いない」
「では、どなたかと婚約破棄されたのですか? それともよっぽどの性格破綻者とかですか?」
兄も第一王子であり王太子だが、まだ婚約者はいない。とはいえ、兄の場合はシスコン……ではなく、早くに立太子された関係で婚約者を新調に選ぶ必要があったため、というのが大きい。それに他国へ留学したり、また本人も騎士としての鍛錬を積んだことも影響があり、単純に出会う時間がなかったのも理由のひとつだ。
だが、そういった事情があるならともかく、本来の王族の結婚相手は早くに決められていることが多いにも関わらず、側妃ではなく正妃でだなんて、相手から拒絶されたとしか思えないのだが、どうやらそうでもないらしい。
いや、兄もまだ婚約者はいないけれど、まさか他国にも同じような方がいたとは、と思わず目を見開いてしまう。
「年齢はニ十四歳」
「若いですね、もしや側妃がいっぱいいたり?」
「いや、いない」
「では、どなたかと婚約破棄されたのですか? それともよっぽどの性格破綻者とかですか?」
兄も第一王子であり王太子だが、まだ婚約者はいない。とはいえ、兄の場合はシスコン……ではなく、早くに立太子された関係で婚約者を新調に選ぶ必要があったため、というのが大きい。それに他国へ留学したり、また本人も騎士としての鍛錬を積んだことも影響があり、単純に出会う時間がなかったのも理由のひとつだ。
だが、そういった事情があるならともかく、本来の王族の結婚相手は早くに決められていることが多いにも関わらず、側妃ではなく正妃でだなんて、相手から拒絶されたとしか思えないのだが、どうやらそうでもないらしい。