幽霊姫は止まれない!
 さすがに完全に一緒というのは、と断ったものの、かなり気合を入れた姉たちに押され、ドレスは生地をお揃いにした淡いブルーのものに決まった。姉たちも同じ色を基調にしつつ、ドレスの形を変えることでそれぞれの個性を出す、で収まった。

 その結果、私は形こそシンプルだが腕や胸元、そして首まで紺色のレースをふんだんに使い覆った少し大人っぽいデザインで決まった。髪にも同じレースのリボンを編み込んでアレンジする予定である。
 姉のビアンカは、レースの代わりにフリルを使い、少しラブリーな雰囲気を出しつつもスリットを入れた腰と大きく開いた背中を大胆に見せ、ブランカはレースもフリルも使わないことで大人っぽさを極めたシンプルなデザインのドレスを選んでいた。

 それぞれがそれぞれに似合うもので、大人っぽさを表現した形である。
 
 ちなみに兄もお揃いがいいと駄々を捏ねたらしいが、二十七にもなって、と父に叱られたらしく、悔しがっていたというのは余談である。

 そんなこんなで迎えた夜会当日。
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