幽霊姫は止まれない!
歓迎パーティーの前に軽く挨拶だけでもできれば、なんて思っていたのだが、途中でサイラスが乗った馬車の車輪が外れたとかの連絡が入ったので、パーティーの途中での挨拶になるだろう。
(まぁ、逆に良かったかも)
そんなことを考えた理由は、単純明快。今から相当な陰口が飛んでくるとわかっているからだ。
「大丈夫か?」
入場直前、扉の前で少し心配そうに私の顔を覗き込むのは父である。心配そうな父を安心させるように笑みを作り、しっかり頷く。入場の時間だ
父が顔を上げたことを確認し、侍従が扉へと手をかける。そしてギィ、と重さを感じさせる音を響かせながら、ホールへと続く扉が開かれた。
「国王陛下、並びにアルゲイド王太子殿下、ビアンカ王女、ブランカ王女、エーヴァファリン王女の入場です!」
王族の入場にざわついていた会場は一瞬で静まり、そしていつもは続かない私の名前が呼ばれたことで再びざわつく。
(そりゃそうよね)
向けられる眼差しはやはり好奇を含んだあまりいい眼差しではなかったけれど、それはすべて私が背負って当然のものだったので、口角が下がらないように気を付けて前を向いた。
(まぁ、逆に良かったかも)
そんなことを考えた理由は、単純明快。今から相当な陰口が飛んでくるとわかっているからだ。
「大丈夫か?」
入場直前、扉の前で少し心配そうに私の顔を覗き込むのは父である。心配そうな父を安心させるように笑みを作り、しっかり頷く。入場の時間だ
父が顔を上げたことを確認し、侍従が扉へと手をかける。そしてギィ、と重さを感じさせる音を響かせながら、ホールへと続く扉が開かれた。
「国王陛下、並びにアルゲイド王太子殿下、ビアンカ王女、ブランカ王女、エーヴァファリン王女の入場です!」
王族の入場にざわついていた会場は一瞬で静まり、そしていつもは続かない私の名前が呼ばれたことで再びざわつく。
(そりゃそうよね)
向けられる眼差しはやはり好奇を含んだあまりいい眼差しではなかったけれど、それはすべて私が背負って当然のものだったので、口角が下がらないように気を付けて前を向いた。