幽霊姫は止まれない!
「あれが末の姫?」
「幽霊姫、部屋の外に出られるんだな」
「もっとやつれてるか、逆にブクブクと太っているかと思ったのに」
好き勝手な囁きが聞こえるが、その程度は誰が話しているかを確認する必要すら感じない。
(この程度は許容範囲よ。きっとすぐに次のがくるわ)
いや、むしろまだ優しい方だろう。そしてその推測は正しかった。
「よく表に出られましたわね」
「えぇ。王妃様の命を奪ったというご自覚がおありなのかしら」
「私なら外には出られないわ」
(不敬、って言えなくもないけど)
ここで指摘すれば、言われた言葉を撤回させることができるだろう。だが、それをするということは、彼らに『王族を蔑んだ』という罪を背負わせるということだ。言われた内容が事実である以上、ここで指摘することはできないと私は口を噤んだ。
「幽霊姫、部屋の外に出られるんだな」
「もっとやつれてるか、逆にブクブクと太っているかと思ったのに」
好き勝手な囁きが聞こえるが、その程度は誰が話しているかを確認する必要すら感じない。
(この程度は許容範囲よ。きっとすぐに次のがくるわ)
いや、むしろまだ優しい方だろう。そしてその推測は正しかった。
「よく表に出られましたわね」
「えぇ。王妃様の命を奪ったというご自覚がおありなのかしら」
「私なら外には出られないわ」
(不敬、って言えなくもないけど)
ここで指摘すれば、言われた言葉を撤回させることができるだろう。だが、それをするということは、彼らに『王族を蔑んだ』という罪を背負わせるということだ。言われた内容が事実である以上、ここで指摘することはできないと私は口を噤んだ。