幽霊姫は止まれない!
その場でガクリと膝から崩れ落ちた兄に若干引きながら、私もしゃがむ。
完全に泣き崩れた状態の兄に、どうすべきか迷っていると、突然顔をあげた兄は私の肩を思い切り掴んで首を振った。
「まだ、結婚はまだっ! 早い!」
「いえ、早くはないでしょう……」
王族の結婚だ、普通ならとっくに婚約者くらいはいてもおかしくない。
「十歳くらいで婚約者がいることも珍しくないでしょう?」
「ニ十七歳でも婚約者はいない!」
「お兄様は、王太子の仕事を優先してきたからじゃないですか」
「だからって、あいつ、あいつは!」
「お兄様のお墨付きの、隣国王子ですね」
「く、悪いところがないところがタチが悪いっ」
いやいや期のように駄々を捏ねられ、苦笑する。
それでもやはり兄にとって大事な友人なのだろう、ふたりの絆に微笑ましさも感じた。
完全に泣き崩れた状態の兄に、どうすべきか迷っていると、突然顔をあげた兄は私の肩を思い切り掴んで首を振った。
「まだ、結婚はまだっ! 早い!」
「いえ、早くはないでしょう……」
王族の結婚だ、普通ならとっくに婚約者くらいはいてもおかしくない。
「十歳くらいで婚約者がいることも珍しくないでしょう?」
「ニ十七歳でも婚約者はいない!」
「お兄様は、王太子の仕事を優先してきたからじゃないですか」
「だからって、あいつ、あいつは!」
「お兄様のお墨付きの、隣国王子ですね」
「く、悪いところがないところがタチが悪いっ」
いやいや期のように駄々を捏ねられ、苦笑する。
それでもやはり兄にとって大事な友人なのだろう、ふたりの絆に微笑ましさも感じた。