幽霊姫は止まれない!
婚約騒動で少し揉めたようなことを友人特権で噂程度に本人から聞いたが、表沙汰には一切なっていない。
それだけ友人の手腕には感心するばかりだ。そしてそんな彼から愚痴をこぼして貰えるくらい信頼関係ができているということも嬉しかった。
そんな友人であり、尊敬する相手であるアルゲイド・リンディも、俺と同じ第一王子でありながらまだ正式な婚約者はいない。
しかも彼は俺よりも三歳年上。まぁ、成人してからの三歳なんて誤差ではあるが――
「どうしても、アルゲイドもまだだしなぁって、思っちゃうんだよなぁ」
幼い頃にリンディ国の王妃である母を末の妹の誕生と引き換えに亡くし、それゆえに幼少期から国と父を支えるために奮闘していたアルゲイド。末の妹が「自分のせいで」と泣かないように愛情も沢山注ぎ、溺愛しているということも知っている。残念ながら、末の妹の中に植え付けられた「母の命を奪って生まれた」という事実は残ってしまっているようだが、それでも卑屈になるのではなく明るい性格に育ったのは、友人の努力の賜物だろう。
そんな事情から、自身の結婚についてアルゲイドは後回しにしている。
それだけ友人の手腕には感心するばかりだ。そしてそんな彼から愚痴をこぼして貰えるくらい信頼関係ができているということも嬉しかった。
そんな友人であり、尊敬する相手であるアルゲイド・リンディも、俺と同じ第一王子でありながらまだ正式な婚約者はいない。
しかも彼は俺よりも三歳年上。まぁ、成人してからの三歳なんて誤差ではあるが――
「どうしても、アルゲイドもまだだしなぁって、思っちゃうんだよなぁ」
幼い頃にリンディ国の王妃である母を末の妹の誕生と引き換えに亡くし、それゆえに幼少期から国と父を支えるために奮闘していたアルゲイド。末の妹が「自分のせいで」と泣かないように愛情も沢山注ぎ、溺愛しているということも知っている。残念ながら、末の妹の中に植え付けられた「母の命を奪って生まれた」という事実は残ってしまっているようだが、それでも卑屈になるのではなく明るい性格に育ったのは、友人の努力の賜物だろう。
そんな事情から、自身の結婚についてアルゲイドは後回しにしている。