幽霊姫は止まれない!
万一そうなって足を踏み外されたら大変だ。十九にもなってもまだ脱走癖のある主君にがくりと項垂れつつ、俺はそのままバルコニーから外を見る。幸いエヴァ様の気配が部屋にないことにすぐ気付いたお陰でどうやら遠くまでは行っていないようだが、私室から脱走した後は一度王城内へ入ったらしい。上からではどこかへ走り去ろうとしている彼女の姿は確認できなかった。
こうなってはいそうな場所をしらみつぶしに探すしかない。なんとしても王城の敷地内から外へ出る前に捕まえなくてはならず、俺はバルコニーの手すりをひょいと飛び越えた。
ソードマスターである俺は当然魔力を自在に操れる。魔女と呼ばれる一族のように魔力で何かを操ったりすることは出来ないが、代わりに自身の魔力を体に纏い身体強化が可能だ。
「全身に巡らす必要もないな」
今必要なのは着地時の足の強化のみ。そう判断した俺は足裏にだけオーラを纏い着地の衝撃に備える。足元に注意を向けながら、背後の気配も探っていた俺は飛び越えてすぐ自らの失態に気が付いた。エヴァ様、室内にはいなかったがバルコニーにいる。
「トラップかよ、小癪な!」
こうなってはいそうな場所をしらみつぶしに探すしかない。なんとしても王城の敷地内から外へ出る前に捕まえなくてはならず、俺はバルコニーの手すりをひょいと飛び越えた。
ソードマスターである俺は当然魔力を自在に操れる。魔女と呼ばれる一族のように魔力で何かを操ったりすることは出来ないが、代わりに自身の魔力を体に纏い身体強化が可能だ。
「全身に巡らす必要もないな」
今必要なのは着地時の足の強化のみ。そう判断した俺は足裏にだけオーラを纏い着地の衝撃に備える。足元に注意を向けながら、背後の気配も探っていた俺は飛び越えてすぐ自らの失態に気が付いた。エヴァ様、室内にはいなかったがバルコニーにいる。
「トラップかよ、小癪な!」