幽霊姫は止まれない!
『このまま黙っていて、いいんですか』

 まるで石にでもなってしまったかのように、私の口からは言葉が何もでない。それでも、小さな疑問が確かに投げられた気がした。

 ――オスキャル。

 そうだ、オスキャルならこんな時、私をどうするだろう。サイラスのように背に庇うだろうか?
(ううん、オスキャルなら、私を叱るわ)

 当たって砕けろって言うじゃないですか。なんてあっけらかんと言うのだ。
 もしもの時は骨くらい拾って差し上げますよ。って笑うのだ。

 私の最高で唯一の護衛騎士は、私の〝心〟を守る人だったから。
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