幽霊姫は止まれない!
完全に社交辞令を本気にして来た私の愚かさをバカにしているのかと思っていたのだが、もしかして本当に違うのだろうか。
だが、睨むような怖い表情とは合いそうにもない。
(隣国との関係を気にして、サイラス様の解釈にのってるのかも)
あまりにも信じられない見解に、思わずそう疑ってしまう。しかし、疑う私とは反対に、閃いたような顔になったサイラスが両手を叩いた。
「じゃあ、『本当に引きこもったままでいるべきじゃないか』ってやつは、もしかして無理して外交する必要なんてないってことだろうか?」
「え? えぇ、そんなまさか……」
「当たり前でしょう。エーヴァファリン殿下は最近まで社交も外交も公務もして来なかったんだ。そんな彼女に隣国の王太子の相手は荷が重い」
(うっそぉ)
ハンッと顎を突き出すような相手を煽るようにして解説された内容が、その態度とは裏腹に気遣いに溢れていて脱力しかける。
お前なんか国の恥だから、ひとりで部屋に閉じこもっていろと言われたと、一瞬でも思ったことを後悔しながら私もサイラスの真似をして口を開いた。
だが、睨むような怖い表情とは合いそうにもない。
(隣国との関係を気にして、サイラス様の解釈にのってるのかも)
あまりにも信じられない見解に、思わずそう疑ってしまう。しかし、疑う私とは反対に、閃いたような顔になったサイラスが両手を叩いた。
「じゃあ、『本当に引きこもったままでいるべきじゃないか』ってやつは、もしかして無理して外交する必要なんてないってことだろうか?」
「え? えぇ、そんなまさか……」
「当たり前でしょう。エーヴァファリン殿下は最近まで社交も外交も公務もして来なかったんだ。そんな彼女に隣国の王太子の相手は荷が重い」
(うっそぉ)
ハンッと顎を突き出すような相手を煽るようにして解説された内容が、その態度とは裏腹に気遣いに溢れていて脱力しかける。
お前なんか国の恥だから、ひとりで部屋に閉じこもっていろと言われたと、一瞬でも思ったことを後悔しながら私もサイラスの真似をして口を開いた。