幽霊姫は止まれない!
 ずんずんと真っ直ぐ近付く兄の違和感にサイラスも気付いたのか、戸惑ったように私と兄を見比べる。

「国交での繋がりを強める婚姻ならいっそ、俺たちがしてもいいかもしれない」
「は? ちょ、何を言ってるんだ、アルゲイド!? 確かに繋がり目的とは言ったが、俺たちどっちも男だぞ!? というかお互い王太子な!?」
「今の時代、性別によって婚姻相手を決めるのは間違っている。それに、遠距離での婚姻関係もあるんじゃないか?」
「いやいやいやいや! あるかもしれないが、俺たちの間はなしじゃないか!? あまりにも生産性がなくないか!? というか俺たちは跡継ぎを求められて――って、うん?」

 兄の言葉に慌てふためいていたサイラスが、突然動きをピタッと止める。
 そしてサイラスの目の前で立ち止まった兄に、小さくため息を吐いた。

 その距離まで近づき、サイラスと並んだ姿を見て私もやっと感じていた違和感の元に気がつく。
 兄が、〝小さい〟のだ。
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