幽霊姫は止まれない!
 今まで見知ったすべてのことを、無駄にしない方法があるのだろうか。

「ううん。無駄にしないように、するのよ」
 弱い者の側に立ち国に貢献することが、私になら、できるかもしれない。
 
 新たな可能性に、目の前が開けたような気がして胸が高鳴った。

「エヴァと会えなくなったら悲しいからな。それに、エヴァがしたいようにするのがいい」
「ははっ、甘い考えなのかもだけど、アルゲイドの気持ちもわかる。俺も妹がいるからな」
 兄同士、わかりあえることが多いのか互いに頷き合うふたりを、嬉しいやら申し訳ないやらの気持ちで見守る――が、何か違和感が少し。

「アルゲイドの国と、深い繋がりができると思ったんだけどねぇ」
「婚姻による深い繋がりが欲しいのか?」
「俺たちは仲良いけど、それは世代がかわればどうなるかわからない不安定なものでもあるからな」
「なるほど、理解した」
「え、理解?」

(何かしら……)
 その違和感の正体を探るようにじっと見つめていると、兄がゆっくりとサイラスの元へと足を進める。

「これでまたふたりとも候補すらいなくなってしまったな。アルゲイドは……って、ん? アルゲイド?」
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