幽霊姫は止まれない!
 ふむ、と片手を自身の頬に添えた姉が少し目を伏せながら話し出すが、首から下は完全な王子様ルックのせいか、変な性癖に目覚めそうだ。もしこれを聖女が見れば、そういうコンセプトもいいわね、なんて採用されそうである。

「あー、だからさっきノルベルト公爵はエヴァじゃなく、姉の方を勧めてきたのか」
 つい姉の格好が気になってそちらにばかり気を取られていた私だったが、納得したようなサイラスの言葉で慌てて顔を上げた。

「えっ! どういう意味ですか!?」
「嫁に出すことを覚悟した姪と、まだ嫁に出す覚悟のできてない姪の違いって話だよ」
「え? え?」
 サイラスが説明してくれるが、あまりピンとこない。
 そんな私に気付いたらしく、苦笑しながらサイラスが再び口を開く。

「双子の姫君はノルベルト公爵の紹介で今日見合いをしていたんだろう? それもノルベルト公爵の知り合いと、だ。可愛い姪を嫁に出すとして、その相手が自分の近しい相手ならばこれからも頻繁に会えるだろ。しかも、わざわざ見合いの席を設けているなら、公爵自身もどちらかが嫁にいくことは覚悟しているってものだ。エヴァと違ってね」
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