幽霊姫は止まれない!
幕間・一 オスキャルの日常(後編)
「王族……っていうか、ご令嬢って何度も着替えなくちゃいけないの大変そうだよなぁ」
そんな感想を零しながらエヴァ様を私室へと送った俺は、今度はその足で厨房へと向かう。さっきメイドに言伝を頼んでおいたバスケットがそろそろ出来上がる頃だった。朝は脱走の攻防劇を繰り広げた俺たちだが、昼はあくまでも休戦である。着替えのための侍女たちもエヴァ様の側についていて逃げる隙がないのかもしれないが、不思議と彼女が昼に脱走を試みたことは無いのだ。
その理由に首を傾げつつ、厨房担当の使用人から大きめのバスケットを受け取った俺が再びエヴァ様の私室へと向かい、今度は扉をノックする。
「さ! 行くわよオスキャル!」
どうやら俺が戻ってくるのを待っていたらしいエヴァ様が、さっきまでとは違いレモンイエローのシンプルなデイドレスを纏って部屋の外に飛び出した。そして俺の側にピタッと寄り添う。まぁ、目当ては俺ではなく俺の持っているバスケットなのだが。
「ッ!」
「ふふっ、今日のお昼は何かしら。私今日はビスケットと生ハムが食べたい気分なんだけど」
そんな感想を零しながらエヴァ様を私室へと送った俺は、今度はその足で厨房へと向かう。さっきメイドに言伝を頼んでおいたバスケットがそろそろ出来上がる頃だった。朝は脱走の攻防劇を繰り広げた俺たちだが、昼はあくまでも休戦である。着替えのための侍女たちもエヴァ様の側についていて逃げる隙がないのかもしれないが、不思議と彼女が昼に脱走を試みたことは無いのだ。
その理由に首を傾げつつ、厨房担当の使用人から大きめのバスケットを受け取った俺が再びエヴァ様の私室へと向かい、今度は扉をノックする。
「さ! 行くわよオスキャル!」
どうやら俺が戻ってくるのを待っていたらしいエヴァ様が、さっきまでとは違いレモンイエローのシンプルなデイドレスを纏って部屋の外に飛び出した。そして俺の側にピタッと寄り添う。まぁ、目当ては俺ではなく俺の持っているバスケットなのだが。
「ッ!」
「ふふっ、今日のお昼は何かしら。私今日はビスケットと生ハムが食べたい気分なんだけど」