幽霊姫は止まれない!
外聞なんて気にもせず豪快にかぶりつく彼女に小さく吹き出した俺は、本来主君と同じテーブルにつくなんて許されないと理解しつつも彼女の向かいに腰かけてサンドイッチを頬張った。さっぱりとした味付けのサンドイッチは何個でも食べられそうである。
(すっかりこれが当たり前になっちゃったよなぁ)
軽口のようなやりとりに、主従なんて無視した会話。本来許されないが、一緒に昼食を取るのだっていつの間にか当たり前の日常になっていた。きっと俺の主君が彼女じゃなければきっと今俺は絶対座って昼食なんて取っていないだろう。それは、エヴァ様が変わり者で特別に許されているからというだけではなく、俺の気持ち的なものが大きかった。
他の誰に仕え、その主君がどれだけ「一緒に」と言ってきても頷くつもりはないからだ。
『オスキャル・スワルドン。私は貴方を選びます』
そう凛とした声で指名されたあの任命式。彼女は俺だけを射貫くようにまっすぐ見ていた。
その瞬間、幼い頃の映像が駆け抜けたような錯覚と、自然と頭を下げたくなる神々しさを感じた俺は、どうしてだろうか。何故か泣きたくなったのだった。
――忘れたことなど一度もない。
(すっかりこれが当たり前になっちゃったよなぁ)
軽口のようなやりとりに、主従なんて無視した会話。本来許されないが、一緒に昼食を取るのだっていつの間にか当たり前の日常になっていた。きっと俺の主君が彼女じゃなければきっと今俺は絶対座って昼食なんて取っていないだろう。それは、エヴァ様が変わり者で特別に許されているからというだけではなく、俺の気持ち的なものが大きかった。
他の誰に仕え、その主君がどれだけ「一緒に」と言ってきても頷くつもりはないからだ。
『オスキャル・スワルドン。私は貴方を選びます』
そう凛とした声で指名されたあの任命式。彼女は俺だけを射貫くようにまっすぐ見ていた。
その瞬間、幼い頃の映像が駆け抜けたような錯覚と、自然と頭を下げたくなる神々しさを感じた俺は、どうしてだろうか。何故か泣きたくなったのだった。
――忘れたことなど一度もない。