幽霊姫は止まれない!
第二章 妖精姫の誕生だなんて、聞いてない!
第十一話 これが意趣返しってやつなのよ
「またですか、エヴァ様!」
今日も今日とて脱走を図った私を捕まえたのは、つい先日魔女の秘薬という惚れ薬の効果で自分自身に惚れてデレッデレになるという黒歴史を披露したばかりの護衛騎士、オスキャルだ。
「どうしてバレたの!? 私のメイドになりきる作戦は完璧だったのに!」
「いや、手ぶらで出てきてただ歩くだけのメイドとかおりませんし。あと服を替えただけでその王族特有の髪と目の色もそのままですし」
変装を見破られ、あっさりとそう言い切るオスキャルをうぐぐ、と睨む。確かに髪色を隠そうとしなかったのは私だが、こういうのは案外堂々としていた方が気付かれないという心理をついたものだったのに!
「く、これがソードマスターの力ってこと?」
「いや、誰でも気付きますって」
そんな会話をしていると、父の側近が私たちの方に真っすぐ歩いてくるのが見えた。そしてそのまま私の前に立つ。
「姫様、こちらにいらしたのですか。陛下がお呼びです」
「えっ」
「ね? 誰でも気付くって言ったでしょう」
今日も今日とて脱走を図った私を捕まえたのは、つい先日魔女の秘薬という惚れ薬の効果で自分自身に惚れてデレッデレになるという黒歴史を披露したばかりの護衛騎士、オスキャルだ。
「どうしてバレたの!? 私のメイドになりきる作戦は完璧だったのに!」
「いや、手ぶらで出てきてただ歩くだけのメイドとかおりませんし。あと服を替えただけでその王族特有の髪と目の色もそのままですし」
変装を見破られ、あっさりとそう言い切るオスキャルをうぐぐ、と睨む。確かに髪色を隠そうとしなかったのは私だが、こういうのは案外堂々としていた方が気付かれないという心理をついたものだったのに!
「く、これがソードマスターの力ってこと?」
「いや、誰でも気付きますって」
そんな会話をしていると、父の側近が私たちの方に真っすぐ歩いてくるのが見えた。そしてそのまま私の前に立つ。
「姫様、こちらにいらしたのですか。陛下がお呼びです」
「えっ」
「ね? 誰でも気付くって言ったでしょう」