幽霊姫は止まれない!
そして当然のように『末姫、エーヴァファリン・リンディ』へと話しかけられて愕然とした。ドヤ顔を向けてくるオスキャルに悔しさを覚えながら、私はその側近へと向き直る。
「わかりました、すぐに伺うと伝えてちょうだい」
「かしこまりました」
私の言葉を聞いた側近が軽く頭を下げて戻ってくるのを見送ってから、不意打ちを狙って思い切りオスキャルの足を踏みつけた。ところが。
「いぃったい!」
「あらあらエヴァ様。お気をつけください」
思い切り踏んだ彼の足が、まるで鋼鉄のように硬くて逆にダメージが私へと返ってきたのである。
「オーラを纏うなんて卑怯よ!」
「不意打ちで足を踏みつけるご自身を顧みましょう」
そう至極全うな注意を受けた私は、じぃん、と痛む足を抱えながら涙で視界を滲ませつつもう一度オスキャルを睨んだのだった。
父とはいえ一国の王だ。流石にメイド服で会いに行くわけにもいかないので着替えることにしたのだが、せめてもの意趣返しに、とオスキャルの瞳と同じ藍色で全身を染め上げた。ドレスもわざわざ夜会に着ていくような豪華なものを選んでやった。
「わかりました、すぐに伺うと伝えてちょうだい」
「かしこまりました」
私の言葉を聞いた側近が軽く頭を下げて戻ってくるのを見送ってから、不意打ちを狙って思い切りオスキャルの足を踏みつけた。ところが。
「いぃったい!」
「あらあらエヴァ様。お気をつけください」
思い切り踏んだ彼の足が、まるで鋼鉄のように硬くて逆にダメージが私へと返ってきたのである。
「オーラを纏うなんて卑怯よ!」
「不意打ちで足を踏みつけるご自身を顧みましょう」
そう至極全うな注意を受けた私は、じぃん、と痛む足を抱えながら涙で視界を滲ませつつもう一度オスキャルを睨んだのだった。
父とはいえ一国の王だ。流石にメイド服で会いに行くわけにもいかないので着替えることにしたのだが、せめてもの意趣返しに、とオスキャルの瞳と同じ藍色で全身を染め上げた。ドレスもわざわざ夜会に着ていくような豪華なものを選んでやった。