幽霊姫は止まれない!
「ハッケルト公爵家のものですね。しかも長男のミック公爵令息の個人のものですか」
がっつり勉強させられている私ですらわからなかったのに、あっさりと言い当てたオスキャルに唖然とする。
「え、知ってるの?」
「女性に興味がありすぎるって有名なんですよ。エヴァ様にちょっかいかけられたらたまったもんじゃないんで、危険人物は大体頭に入れてます」
「あら、護衛の鏡ね」
「だからそういう意味じゃ――いえ! そういう意味ですけど! 護衛としてですけど!?」
「はぁ?」
突然焦ったような声を出したオスキャル。そんな彼はゴホンとわざとらしい咳払いをし、もう一度手紙へと視線を向けた。
「で、その公爵令息は何と?」
「中も見ていいわよ、機密文書でもないし。ただ私への婚約の申込みってだけ」
「あぁ。婚約の……婚約ぅッ!?」
中身を知って愕然としたオスキャルの顔色がまたどんどん悪くなるが、私は構わず中を見るように促す。重要なのは私への呼称なのだ、これは見て貰う方が早いだろう。
「し、親愛なる……妖精姫?」
「そうなの。私、どうやら幽霊姫じゃなく妖精姫だったらしいわ」
がっつり勉強させられている私ですらわからなかったのに、あっさりと言い当てたオスキャルに唖然とする。
「え、知ってるの?」
「女性に興味がありすぎるって有名なんですよ。エヴァ様にちょっかいかけられたらたまったもんじゃないんで、危険人物は大体頭に入れてます」
「あら、護衛の鏡ね」
「だからそういう意味じゃ――いえ! そういう意味ですけど! 護衛としてですけど!?」
「はぁ?」
突然焦ったような声を出したオスキャル。そんな彼はゴホンとわざとらしい咳払いをし、もう一度手紙へと視線を向けた。
「で、その公爵令息は何と?」
「中も見ていいわよ、機密文書でもないし。ただ私への婚約の申込みってだけ」
「あぁ。婚約の……婚約ぅッ!?」
中身を知って愕然としたオスキャルの顔色がまたどんどん悪くなるが、私は構わず中を見るように促す。重要なのは私への呼称なのだ、これは見て貰う方が早いだろう。
「し、親愛なる……妖精姫?」
「そうなの。私、どうやら幽霊姫じゃなく妖精姫だったらしいわ」