幽霊姫は止まれない!
第十五話 はじめまして、恋人です
私の言葉に情けない声をあげたオスキャル。そんな彼が何度もやめようと説得してくるのを全て無視して、私とオスキャルはとうとう隣国であるエトホーフト国へと足を踏み入れた。
「さぁ、行くわよダーリン!」
「その設定なんとかならなかったんですかね……」
「弟になりたかったってことかしら」
「俺の方が年上ですが」
「精神年齢の話よ」
「精神年齢なら実年齢よりずっと低いでしょうが!」
「あら。自身が幼いことをハッキリ自覚しているのね」
「エヴァ様の話ですけど!?」
愕然としているオスキャルからの文句を適当に流した私は、そのまま彼にそっと寄り添う。それも恋人同士のようにピッタリと、だ。
(だって今の私はオスキャルの恋人だからね!)
この設定にした理由にはもちろんわけがある。
留学、という体で隣国へ来る予定だったのだが、調べたい相手はもうとっくに成人した公爵令息。彼は貴族学院をとっくに卒業していたし、既に公爵家の嫡男としての仕事をしている相手の身辺に潜入する場所と理由が無かったのだ。
「さぁ、行くわよダーリン!」
「その設定なんとかならなかったんですかね……」
「弟になりたかったってことかしら」
「俺の方が年上ですが」
「精神年齢の話よ」
「精神年齢なら実年齢よりずっと低いでしょうが!」
「あら。自身が幼いことをハッキリ自覚しているのね」
「エヴァ様の話ですけど!?」
愕然としているオスキャルからの文句を適当に流した私は、そのまま彼にそっと寄り添う。それも恋人同士のようにピッタリと、だ。
(だって今の私はオスキャルの恋人だからね!)
この設定にした理由にはもちろんわけがある。
留学、という体で隣国へ来る予定だったのだが、調べたい相手はもうとっくに成人した公爵令息。彼は貴族学院をとっくに卒業していたし、既に公爵家の嫡男としての仕事をしている相手の身辺に潜入する場所と理由が無かったのだ。