わけありくんを護ります
──比江島くんは水枕やら飲み物やら、看病に必要なものをそろえ、私のそばにいる。
おとなしくしててください、って言われたからちゃんと布団にこもってるけど……
私のベッドに寄りかかりながら、本読んでるこの近さに、どこか落ち着かなくて、うとうとはしても、なかなか寝つけない。
「ね、ねぇ」
「はい」
「近くにいたら移るかもだし……さ」
「ああ、大丈夫です。俺バカなので風邪引かないタイプだから」
そんな笑顔で自慢すること?
「って……あれ、もう昼時になりますね。凛さん食欲は?薬飲まないと」
「食欲は……ある」
朝抜きだし、体温以外は割りと正常みたい。