わけありくんを護ります
「分かりました。じゃあ、ちょっと待っててくださいね」
本をとじて、比江島くんはドアを閉めるまでにこにことしていった。
だけど──ちょっとって言ったのに、なかなか戻って来なくて。
少しでも寝ようと思いきや、気になって眠れやしない。
もしかして……ヨイヤミの子が寮に──
だからこんな帰って来ないってこと?
ヨイヤミじゃなくても、何かあったんじゃ──!!
「ただいま戻りましたー出来立てのおかゆで……あれ、凛さんトイレですか?」
勢い良く布団をはいで、ベッドから1歩おりた時、穏やかな顔で比江島くんが入ってきた。
「ちが……うけど」
「ならはい、おとなしくベッドにリターンしましょうね」
「お、おかゆなら受け取るからっ」
「凛さんが布団に入ったら渡しますから」