わけありくんを護ります
机と机の間には固定用にゴミ箱を、玄関側は段差にテープで固定。
私の行動を見つめてくる視線を無視して、立ち上がり比江島くんに向き直る。
「いい?同じ部屋と言えど、男女なんだから、この線からこっちに来ないこと」
線をさしながら伝えれば、比江島くんは床にしゃがみヒモをつついた。
「……こんな弱いヒモで仕切るんですか?なんの障害にもならないし、お互い丸見えなのに?」
うん、正論。承知の上でやってることだけど。
「いいの。こんな部屋のど真ん中に壁なんか作れないし……さえぎるもの置いたらせまくなるでしょ?」
「まぁ、そうですけど」
微妙じゃないのか、と言いたげな顔をして私を見上げてくる。
だから私もひるまず目を細めた。
「仕方ないでしょ。依頼受けたんだし、早急な対応をしたまで」