わけありくんを護ります
でも、気をひきしめないといけない私だって癒しは必要なわけで。
昨日探し求めてた癒しを私は見つけた。
それは──
「はぁい凛ちゃん、お待ちどうね」
「ありがとうございます」
寮母で食堂のおばちゃん、乙女子さんだ。
寮長である喜八さんとは夫婦で、若い頃はお互い強瀾のような時代があったと、昨日の夕御飯の時に聞いた。
少し話した程度だけど、気さくですごいサバサバしていて話しやすい。
見た目は同じ年代の方より、何倍もド派手で髪は金髪に緑と……なかなか貫禄がある。
喜八さんはもう静かなおじいさんって感じだけど……乙女子さんはすごい活発だ。
「ほら男ども!さっさと食べて学校行きな!寝ぼけてんじゃないよ!」
「ひっ」
男子にはこんな感じできつめ。
隣で食べている比江島くんはびびり気味。だけど、
「凛ちゃん、女だからってなめられないように頑張りな。相談はいつでもウェルカムだし、この寮で何かあろうものなら、アタシが助けるから!」
「はいっ」
私には優しい。
話すだけでスカッとして、気持ちが晴れる気がする。