わけありくんを護ります
──今朝、着替え終わった後、私は今回の依頼のことで比江島くんに話をした。
お互いベッドに座り向かいながら進めていく。
『考えたんだけど、日常では私と比江島くんは以前からの知り合い……まあ、友達っていうていでいく、いい?』
『それは構いませんけど……学校で俺に話しかける人なんかいないのに大丈夫ですか?』
『だーかーら、考えた設定をいかすの。久しぶりだねって展開から仲良し、みたいな。そしたらボディーガードとして四六時中一緒にいても怪しまれない』
私は設定を書いた紙を手渡した。
近所でよく遊んだー、とか。
すぐ覚えられそうな内容だけど。
『……おお、なるほど!すごいです!』
『拍手してくれるのはいいけど、本当に大丈夫?』
『はい!』
んん……この笑顔が逆に心配。
「──もちろん大丈夫です!ノートみたいに頭に叩き込みましたから」
「そう……それならいいんだけど」
少し不安もあるけど、何かボロが出た時は私がフォローすればいっかな。