わけありくんを護ります





比江島くんが誰かといるのが珍しいのか、比江島くんを知るヤンキーくん達に何度か二度見されながらの登校になった。

一応警戒しながら歩いてきたけど、それ以外はなにもなく、良かったんだけど……

校舎内に入った途端に私は、ブーイングの嵐に囲まれた。


──やっぱり。

こんなことになるのでは、と頭でシュミレーションしてたからこんなブーイングなんて、ヘでもないけど。


"BOO BOO!"


原因は──スカートではなく、パンツスタイルにしたせい。

だって仕方ないでしょ?
ボディーガードとして動きやすいのはこっちなんだから。

女子はスカートって思ってたら間違いよ。


「俺は似合うと思いますよ」
「ははっ、一応ありがとう」


隣を歩くこの、自称よわっちいという男の子──比江島柚希くんは、朝着替えた私を見て、『かっこいいです!』っていうリアクションだったのに。


このブーイング、いつおさまるかな──
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