わけありくんを護ります
*
*
比江島くんが誰かといるのが珍しいのか、比江島くんを知るヤンキーくん達に何度か二度見されながらの登校になった。
一応警戒しながら歩いてきたけど、それ以外はなにもなく、良かったんだけど……
校舎内に入った途端に私は、ブーイングの嵐に囲まれた。
──やっぱり。
こんなことになるのでは、と頭でシュミレーションしてたからこんなブーイングなんて、ヘでもないけど。
"BOO BOO!"
原因は──スカートではなく、パンツスタイルにしたせい。
だって仕方ないでしょ?
ボディーガードとして動きやすいのはこっちなんだから。
女子はスカートって思ってたら間違いよ。
「俺は似合うと思いますよ」
「ははっ、一応ありがとう」
隣を歩くこの、自称よわっちいという男の子──比江島柚希くんは、朝着替えた私を見て、『かっこいいです!』っていうリアクションだったのに。
このブーイング、いつおさまるかな──