わけありくんを護ります
──私と比江島くんが一緒に登校しても、休み時間を一緒に過ごしても、ヤンキーくん達は驚いていたものの、声はかけてこなかった。
比江島くん本人が言う、関わるのすら面倒なんだってことなんだろう……
ブーイングはしばらく続いたけど、私だって君たちは眼中にないの。
「──えっ!?正気ですか!?」
昼休み、私たちはあるところに向かっていた。ずかずかと歩いていく私を比江島くんは私に追いついては離され、また追いついては離されを繰り返している。
「正気。ノートにはある程度情報は書いてあるけど不完全だし。それに、この学校の強い人がいるなら、ちゃんと顔見ときたいの」
「でもっ」
「不足してる何かしらの情報とかも、聞けるかもしれないじゃない?」
「ま、まぁ分かりますけど。……あ、ちょっと待って!」