わけありくんを護ります
中をのぞき込めば、目の前に『目』。
クリクリな目とばっちり視線が合った。
『およ?女の子だ』
私を見るなり、扉をすべて開ききり出てきた男の子は──
「やっほ、君がこの学校の末っ子ちゃんの女の子だね!」
水色髪で、小柄。とてもだぼだぼな制服を身に付けてる。私よりちょっと小さいかも。というか……
「末っ子って……ああ、なるほど。1年生よりもここに来たの遅いからか」
「ぴんぽーん!!正解、ご名答!で、お名前は?ぼくは、梅木文都。1年生だぞっ」
ウインクに敬礼……袖から手出てないけど。なんか個性的。
「私は芝桜凛。2年生。後ろにいるのは友達」
「で、ご用事は?」
「顔を見に」
「……は?」
素直に答えた私の背中を小きざみに比江島くんがたたいてくる。