無口な自衛官パイロットは再会ママとベビーに溺愛急加速中!【自衛官シリーズ】
「気づかれたくなくて必死だったんだよ。息子をライバル視してる父親ってあり得ないだろ。おまけに美月を気に入ってる男は蓮人だけじゃないし……」

「なんの話ですか?」

美月は最後まで聞き取れず、聞き返した。

「いや、それはもういいんだ」

碧人は軽く頭を振ると、ゆっくりと顔を上げた。

その目潤んでいて、なにか言いたげに美月を見つめている。耳が赤く見えるのは寒さのせいだろうか。

すると碧人は大きく息を吐き出し、苦笑いする。 

「美月って、俺を喜ばせるのがうますぎる。サラリと蓮人に嫉妬してるって、どれだけ……」

「碧人さん? あの、私は別に」

「愛してるよ」

碧人は互いの額をコツンと合わせて、吐息とともにささやいた。

「三歳の息子が羨ましくて嫉妬するくらい、美月を愛してる」

色気のある艶やかな眼差しと甘い声音。

美月の心臓があっという間にトクトクと音を立て、暴れ始めた。

「私も……私も、です」

考える間もなく、素直な気持ちが口をついて出る。

まだ三歳になったばかりの息子に嫉妬してライバル視して、ひとりぐずぐずと悔しがっている。

そんな自分は母としてなにかが足りないのかもしれないと、そのことに落ち込むことも少なくなかった。

けれど。

「俺の方が蓮人より、いや、蓮人だけじゃなく他の誰より美月を愛してる自信はあるけどな」

単純だ。蓮人と張り合う碧人の言葉ひとつで、そんな自分も悪くないと思えてくる。

「私もっ。私も、負けません。碧人さんを想う気持ちは蓮人に負けないし、他に誰が現われても、絶対に負けませんからっ……あ」

思わず力強い声が出て、美月は一瞬目を見開いた。

「いえ、あの。ちが……わないんですけど」

オロオロする美月に、碧人は肩を落とし再びため息を吐き出した。

「それ、そういうところ。俺を喜ばせるのがうますぎる」

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