無口な自衛官パイロットは再会ママとベビーに溺愛急加速中!【自衛官シリーズ】
「だから赴任の話はこれでおしまいです。あ、その代わり、来年からも当面今の仕事を続けられそうです」

「本当か? よかったな」

ようやく碧人の顔に笑顔が見えて、美月はホッとする。

「話してみるものですよね。カフェの出店を急ぎすぎて人員の確保につまづいてるらしくて。赴任の意志がないならカフェ事業に専念すればいいって言ってもらえました。碧人さんも当面は小松基地配属だし、ここで親子三人で暮らせますね」

それがなによりうれしい。

美月はここ数日面談を控えて抱えていたストレスから解放され、頰を緩めた。

「あ、着付けが終わったみたいですよ。れんくーん」

「ままー。さっくー」

試着室で袴姿に着替えた蓮人が、堂々とした足取りでやって来る。

毎月一日に家族写真を撮リ続けて半年。

いい機会なのでプロに撮ってもらうことにした。。

ここは子どもの写真を専門に扱う全国展開している専門スタジオで、蓮人の希望で袴姿で写真を撮ることにしたのだ。

親子写真の撮影もOKと聞いて、三人での記念写真をこれから撮ってもらう予定だ。

「では、お母様は椅子に腰をおろしていただいて、その横に息子様、旦那様は後ろにお願いします」

カメラマンのテキパキとした指示に従って、カメラの前に並ぶ。

今日のために新調した淡いピンクのワンピースは、碧人と蓮人が選んでくれたお気に入り。

「ママ、かわいい」

照れくさそうにささやく蓮人は最近王子様系に進化中で、碧人譲りの整った顔で保育園のアイドルだ。

相変わらずブルーインパルスと乗り物に夢中だが、そこに最近バレエが加わった。

たまたま美月が子どもの頃にバレエの発表会で踊っている写真を見て、興味を持ったのだ。

週に一度、金沢にあるバレエ教室に通い始めたが、親の欲目だが筋がいい。

手足が長いところもバレエ向き。

これからの成長が、楽しみだ。

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