無口な自衛官パイロットは再会ママとベビーに溺愛急加速中!【自衛官シリーズ】
航空自衛官として厳しい訓練を続けているのが容易にわかる逞しい身体。
それでいてきめが細かい滑らかな肌に、ずっと触れていたくなる。
『大丈夫。そのうち平気になる』
碧人の言葉は正しかった。
いつの間にか互いの肌が馴染み、鳥肌のなごりはひとつもない。
大好きな人と肌を重ねるのがこれほど愛おしいものだと、ようやく実感したその時。
それまで美月の身体の奥をゆったりと揺らしていた硬い熱が、一気に奥を突いた。
「あーっ」
美月は全身を貫く激しい痛みに耐えられず、声を張り上げた。
身体を大きく反らし、頭を何度も横に振る。
「美月、俺の、美月」
耳もとに碧人の熱のこもった声を聞きながら、美月は痛みがいつの間にか心地よさに変わっていることに気づいた。
そして。
「碧人先輩……好き。絶対に忘れません」
途切れそうになる意識の中、美月は長く心の奥でくすぶり続けていた初恋がようやく昇華されたのを感じた。
そして。
これでなにも思い残すことなく日本を離れることができる。
目尻から零れ落ちるのが、涙なのか汗なのかわからないまま、心の中で何度もそう繰り返した。