無口な自衛官パイロットは再会ママとベビーに溺愛急加速中!【自衛官シリーズ】
やがて十分に写真を撮り終えたあたりで、蓮人が美月を手招いた。

最後にふたり並んで撮るのがルーティンの締めくくり。

美月は三脚に固定した一眼レフをセッティングし、ファインダー越しに蓮人の位置を確認する。

「れん君、そのまま」

今日は普段とは少し違っていつもよりほんの少し引きで撮影する。

これまで毎回蓮人の右側に美月が立っていたが、今日は左側に碧人に入ってもらうつもりだからだ。

「写真なら俺が撮ろうか?」

セッティングを終えた美月に、碧人が声をかける。

「いえ、それはタイマー予約にお任せです。それに碧人先輩にお願いしたら、蓮人が怒ります。碧人先輩と写真を撮るって楽しみにしてるから」

「さっく、早くー。ニッコリしよう」

蓮人はスケールの前の自分のポジションをしっかり守りつつ、碧人に早く来るよう左側を指差した。

「でしょう?」

美月はふふっと笑う。

「ニッコリって、え、俺が入っていいのか? でもルーティンなら今までどおりふたりで撮った方がいいんじゃないのか?」

「今月からルーティンをリニューアルしようって蓮人と決めたんです。毎月一日は三人で写真を撮るってどうですか?」

「どうですかって、俺はもちろんいいけどっていうか、いいのか?」

碧人は美月と蓮人を交互に見やり、期待に満ちた声をあげる。

「もちろん」

「さっく、一緒にニッコリしよう」

待ちくたびれた蓮人がぴょんぴょん跳ねながらぐずぐず言い出した。

碧人にだけ見せる甘えた口ぶりに美月は苦笑する。

「タイマーは十秒です。碧人先輩、れん君の左にお願いします」

二の足を踏む碧人の背中をそっと押し出しながら、美月はタイマーをスタートさせた。

「さっくはこっち、ママはこっちー」

美月と碧人はご機嫌な蓮人の隣で膝をついて寄り添うとカメラに向かってニッコリ笑った。

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