無口な自衛官パイロットは再会ママとベビーに溺愛急加速中!【自衛官シリーズ】

美月の声を合図に蓮人が三つの炎を順に吹き消していく。

「へへっ」

蓮人は碧人が加わった誕生日のお祝いに、満足そうな笑い声をあげた。

「ママ、おいしい」

「ん、美月、すごくうまい」

おいしそうにコロッケを頬張る顔も、ふたりはそっくりだ。

「まだまだあるのでいっぱい食べてください」

「美月も今のうちに食べたら? いつも蓮人がいるからゆっくり食べてないよな」

「大丈夫です。それに平日はお店で管理栄養士を目指してるバイトさんが用意してくれるまかないが絶品で。たまに岡崎さんも腕を振るうんですけど、これもおいしいんです」

管理栄養士になるまでには大量調理の実習もあるらしく、その勉強も兼ねてまかないを用意してくれるのだが、栄養価計算がされているうえに味も極上。

レシピを教えてもらって家で蓮人に作ることも多い。

「岡崎って、店長の?」

食事の手を止め、碧人が口を開く。

「そうです。この間、お店で紹介した岡崎さんです。ひとり暮らしが長くて料理が得意なんです」

「彼、独身なのか?」

探るような碧人の声に、美月はコクコクとうなずいた。

「意外ですよね。本社でも女性人気抜群だったのに、今も恋人がいるようでもなくて。時間があれば蓮人を可愛がってくれて、この間もお店で蓮人にアメリカンドッグを作ってくれて、大喜びしてました。おいしかったよねー」

「おいしかったー」

美月に声をかけられて、蓮人はわかっているのかいないのか元気に答える。

「ママ、ごちそうさま」

蓮人はケーキや料理をひととおり食べて気が済んだのか、図鑑を抱えてリビングに行ってしまった。

ブルーインパルスの模型が気になって仕方がなかったようだ。

「アメリカンドッグ……。そうか、よかったな」

「碧人先輩?」

心なしか感情が見えない碧人の声に、美月は首をかしげた。

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