無口な自衛官パイロットは再会ママとベビーに溺愛急加速中!【自衛官シリーズ】
気づけば碧人に抱きしめられていて、美月は動きを止めた。

「泣いていい。今まで泣く余裕もないくらい、必死で蓮人を育ててきたんだ。もう、我慢しなくていい。これからは俺がいる。だから我慢するな。泣きたいだけ泣いていい」

「そんな…でも、私、全然つらくなかった……っく」

強気で反論しながらも、しゃくり上げてばかりでそこに説得力はない。

美月は碧人の手の温もりを背中に感じながら、何度もひくひくと肩を揺らした。

やがて落ち着きを取り戻し、妊娠がわかってから今日まで気を張っていたのだとようやく認めた。

「ずっと泣かせてあげられなくて、申し訳ない」

碧人の絞り出すような声に、美月は首を横に振る。

泣けなかったとしても、だからといって不幸だったわけじゃない。

むしろ蓮人がいるだけで幸せだった。

「碧人先輩」

それでも泣いていいと言ってくれる碧人の気持ちがうれしくて、だらりと下げていた手を碧人の背中におずおずと回した。

仕事柄鍛えた身体は見た目よりも厚くて硬い。抱きしめられると守られているようで安心する。

美月は碧人の背中に置いた両手に力を込め、強く抱きしめた。

「美月……」

碧人のくぐもった声が聞こえ、耳もとに熱い吐息が触れる。

「んっ……」

美月は思わず声を漏らし、身体を小さく震わせた。

あっという間に全身が熱くなる。

「私……」

碧人の顔が見たくて顔を上げると、真剣な表情を浮かべた碧人と目が合い心臓がバクバクと音を立て始めた。

「私、碧人先輩が――」

「美月、俺は――」

ふたりが続けて口を開いた、その時。

来客を告げるインターフォンの音が部屋に鳴り響いた。

「えっ」

ハッと身体を起こしリビングを見ると、モニターを見上げて蓮人がぴょんぴょん跳んでいる。

「ひよちゃんとおじいちゃんっ。おばあちゃんもー」

「うそ」

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