無口な自衛官パイロットは再会ママとベビーに溺愛急加速中!【自衛官シリーズ】
「こうしてお会いできたついでというわけではないんですが、話をさせてもらってもいいですか」

「もちろん」

日葉里は即座に答えた。

「再会してまだ日が浅いことはわかっていますが、すぐにでも蓮人と三人で一緒に暮らすつもりでいます。ご心配だと思いますが、認めていただけないでしょうか」

丁寧ながらも熱がこもった口ぶりに、日葉里達は互いに顔を見合わせうなずいた。

「認めるもなにも、美月もそれを望んでいるなら反対する理由なんてありません。私たちはただ美月と蓮人が幸せならそれでいいんです」

「お姉ちゃん……」

美月たちへの愛情が滲む言葉に胸が熱くなる。

「必ず幸せにします。今まで美月さんに苦労をかけたこと、本当に申し訳なく思っています。それを償うためにもこれからはふたりを幸せにするつもりです」

「償うってそんな……」

償うべきは、蓮人の成長に寄り添う機会を奪った自分の方だ。

碧人が責任を感じる必要はない。

「仕事柄家を空けることは多いですし、危険が伴う仕事です。間違いなく苦労をかけると思いますが、ふたりと一緒に生きていこうと思っています」

碧人は日葉里や両親の顔を順に見つめて、丁寧ながらも力強い声で気持ちを口にする。

まるで美月が碧人にとってかけがえのない人だとでもいうように。

「それって、ただ一緒に暮らすということなのかな?」

なにも言わず成り行きを眺めていた美月の父が、おもむろに口を開き碧人に問いかけた。温和で優しい父の珍しく厳しい声に、美月は首をかしげた。

「そのつもりはありません」

父の真意を察したのか、碧人は間を置かずハッキリと答えた。 

「だったら美月と結婚すると、そう受け取るがそれでいいんだね?」

父も即座に言葉を続けた。

「結婚……?」

美月はとっさに隣にいる碧人の顔を見上げた。 

今まで結婚についてなにも考えていなかった。

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