無口な自衛官パイロットは再会ママとベビーに溺愛急加速中!【自衛官シリーズ】
碧人の口からその言葉が出た記憶もない。
碧人と再会してからというもの考えなければならないことばかりでいっぱいいっぱい。
余裕などまるでゼロ。
それになにより、碧人には大切な人がいるはずだ。
たとえ蓮人の存在が理由で距離を置いたとしても、気持ちまで簡単に離れるとは思えない。碧人の部屋に大切に飾られていたドライフラワー。
それがなによりの証拠だ。
たとえ蓮人の父としての未来を選び美月に対して責任を感じていても、碧人の中に美月との結婚という選択肢はなく、ただ一緒に暮らして蓮人を育てていく。
なんの疑いもなくそう思い、受け入れていた。
けれどそうではなかったようだ。
「申し訳ありませんが、そのことは美月とふたりの時に直接言わせてください」
碧人は迷いのない声でにこやかにそう答え、膝の上で握りしめていた美月の手に、そっと自分の手を重ねた。
「バカ息子って、初めて聞きました」
美月は会うなりそう言って怒鳴りつけた碧人の父を思い出し、小さく息を吐き出した。
今日は日葉里の嫁ぎ先である旅館で、双方の家族の顔会わせを兼ねた食事をしたのだが、碧人の父は空港で出迎えた碧人の顔を見るなり怒鳴りつけ、傍らにいた美月に何度も謝罪し深々と頭を下げ続けていた。
結局碧人の母が「美月さんを困らせてどうするの。ほら、話は温泉に入ってからよ。久しぶりの北陸、楽しみだわ」と気を利かせてくれ、早々に日葉里たちが待つ旅館へと向かった。
先週美月の家族と予想外のタイミングで顔を合わせ挨拶を済ませた碧人は、その日のうちに自身の両親にも結婚すること、そして蓮人のことを伝えた。
すると碧人の父はすぐにでも挨拶、というより謝罪に伺うと言い出し、だったら顔会わせを兼ねた食事会はどうかと言って、日葉里が旅館に席を用意してくれたのだ。
碧人と再会してからというもの考えなければならないことばかりでいっぱいいっぱい。
余裕などまるでゼロ。
それになにより、碧人には大切な人がいるはずだ。
たとえ蓮人の存在が理由で距離を置いたとしても、気持ちまで簡単に離れるとは思えない。碧人の部屋に大切に飾られていたドライフラワー。
それがなによりの証拠だ。
たとえ蓮人の父としての未来を選び美月に対して責任を感じていても、碧人の中に美月との結婚という選択肢はなく、ただ一緒に暮らして蓮人を育てていく。
なんの疑いもなくそう思い、受け入れていた。
けれどそうではなかったようだ。
「申し訳ありませんが、そのことは美月とふたりの時に直接言わせてください」
碧人は迷いのない声でにこやかにそう答え、膝の上で握りしめていた美月の手に、そっと自分の手を重ねた。
「バカ息子って、初めて聞きました」
美月は会うなりそう言って怒鳴りつけた碧人の父を思い出し、小さく息を吐き出した。
今日は日葉里の嫁ぎ先である旅館で、双方の家族の顔会わせを兼ねた食事をしたのだが、碧人の父は空港で出迎えた碧人の顔を見るなり怒鳴りつけ、傍らにいた美月に何度も謝罪し深々と頭を下げ続けていた。
結局碧人の母が「美月さんを困らせてどうするの。ほら、話は温泉に入ってからよ。久しぶりの北陸、楽しみだわ」と気を利かせてくれ、早々に日葉里たちが待つ旅館へと向かった。
先週美月の家族と予想外のタイミングで顔を合わせ挨拶を済ませた碧人は、その日のうちに自身の両親にも結婚すること、そして蓮人のことを伝えた。
すると碧人の父はすぐにでも挨拶、というより謝罪に伺うと言い出し、だったら顔会わせを兼ねた食事会はどうかと言って、日葉里が旅館に席を用意してくれたのだ。