無口な自衛官パイロットは再会ママとベビーに溺愛急加速中!【自衛官シリーズ】
「木島さんって……あの木島忍さん?」
まさか女性だったとは思わず、美月は瞬きを繰り返す。
「美月?」
「あ、ごめんなさい」
美月は我に返り、慌てて腰を折る。
「初めまして、妻の美月です。いつもお、夫がお世話になっております」
言い慣れない夫という言葉に顔が熱くなるのがわかる。
同時にようやく碧人の妻になったのだと実感して、胸の奥に温かいなにかが広がっていく。
「……初めまして。木島です。桜井一尉にはいつも親しくしていただいています。それにしても、妻って……」
腑に落ちないとでもいうような冷たい声にハッと顔を上げると、木島が眉間に皺を寄せ美月を眺めていた。
「ああ、結婚する予定はないとあれだけ言っていたから、驚きましたよね。実は今婚姻届を提出したばかりなんです」
「そんな……。じゃあ、この男の子は?」
木島は美月の手を握り不安そうに様子をうかがっている蓮人をチラリと見やる。
「僕の息子です。事情があって今まで離れて暮らしていましたが、これから三人で暮らす予定です」
「え、でも今までそんな話、なにも聞いてない……」
よほど驚いたのか、木島の声は微かに震えている。
「木島さん?」
「あ、ただ突然すぎて驚いてしまって……いえ、すみません」
木島は動揺を隠すように、表情を整えた。
「そうですか。結婚……おめでとうございます。ファンの方が知ったら驚くでしょうね」
「そうですね。でも今はドルフィンライダーではありませんし、ファンの方は後任を応援してくださっていると思います。それに僕以外のメンバーはみな結婚していて僕ひとり心配をかけていたようですから、喜んでもらえるはずです」
碧人は丁寧に、そして淡々と答える。
「でもあまりにも突然でまだ信じられません。事情っていったいなにがあった――」
「木島さん、すみません」