無口な自衛官パイロットは再会ママとベビーに溺愛急加速中!【自衛官シリーズ】
「アイドルみたいでかわいい……あっ、いえ、違うんです」

思わず口をついて出た言葉に美月は慌てた。

それほどメイクの出来映えに満足したのだ。

「メイクの力って凄いなと思ってびっくりして。やっぱりプロのお仕事は違いますね」

「ふふ。ありがとう。素材が抜群だから、私も腕が鳴ったわ。旦那様もきっと惚れ直すはず。あ、写真を撮って旦那様に送るってどうですか?」

「いえいえ、そんな。私の写真なんて」

とんでもないと、美月は慌てた。

「どうして? 日葉里さんから聞いてるけど新婚さんですよね。絶対に喜ぶと思う。今すぐ送ってびっくりさせましょう」

「新婚ですけど、それとこれとは」

「いいからいいから」

美容師の思いつきに抵抗するも、結局美月のスマホで写真を撮られ、気づけば碧人のメッセージアプリに写真を送っていた。

あっという間にすべてが終わり、支払いを終えて美容院をでた途端。

美月は我に返ったように慌ててスマホをバッグから取り出し碧人と共有した写真を確認する。

華やかなメイクと手入れされた艶やかな髪。

照れくさくて仕方ないが、美容師の腕のおかげで見栄えがよくなった自分を碧人に見てもらえるのはやっぱりうれしい。

訓練中で既読はまだついていないが、どう思うだろうかとドキドキする。

すると美容院の隣の時計店のドアが開き、中から人が出てきた。 

美月は邪魔にならないよう端に寄り、スマホをバッグにしまった。

「あなた、もしかして桜井一尉の……?」

不意に声をかけられ振り返ると、木島が目の前に立っていた。

時計店から出てきたのは彼女ともうひとり、連れらしい男性だった。

「木島さん……。あ、こんにちは。偶然ですね」

美月は木島ともうひとりの男性に、挨拶し頭を下げる。

「へえ、この間も思ったけど、要領がいいしたたかな女ね」

「……え?」

聞き間違いだろうか。
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