ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜
「雨晴って…あのヴァンパイアハンターの一家の?」


あっそうか、警戒されているのかもしれない。


誤解を解こうと私が前に出ようとするが。


「まあ、彩鈴ったら雨晴さんと仲良くできてるのね!安心したわ〜」


意外にも、あっさりと受け入れてくれた。


あれ?そういえば、彩鈴ちゃんのお母さんはどうして華恋ちゃんの正体を知っていたのだろう。


「えっとね、私の家族みんな能力者(覚醒者)だから。ヴァンパイアとかのことも知ってるんだよ!私達は上級貴族だし、実家も魔界にあるしね!」


彩鈴ちゃんはにっこり、いつもの笑顔で答えた。


家族がそろって能力者に覚醒するというのは、めったにない。


全員が未だ分かっていない、覚醒の条件を満たす必要があるから。


それだけ珍しいから、魔界の上級貴族なんだと思う。


魔界では上下関係がとても激しいと言われている。


やっぱり伝承通り、魔界は存在したんだなーと思う。


けれど、能力者のことはあまり驚かない。
< 197 / 321 >

この作品をシェア

pagetop