ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜
「やばっ…。聞かれてた」などと口々に生徒達が言う。


私はほっと一息ついた。


美琴ちゃんのおかげで三葉さんへの悪口はこれで減るだろうと思い、それがとても嬉しかった。


その後昊乃さんの自己紹介が終わり、同時に合同学年集会も終わりとなった。


合同学年集会が終わると、小翠先生が私達のところに来て話をしていった。


内容は今日は5人とも放課後生徒会室に来ることと、今回の自己紹介のそれぞれ良かった点の話などだった。


「これで解散になります」


小翠先生のその言葉を聞いて、クラスに戻ろうとみんな体育館から出て行った。


私はこの後美琴ちゃんを引き留めて話をしようと思っていたので、急いで後を追う。


私もいそいそと体育館から出て行ったが、目の前にある本校舎へつながる廊下に美琴ちゃんの姿は見えない。


もう話が出来なくなるのではと思い、焦りはじめる。


その時、ふと隣の庭に人影が見えた。


見ると、その人影は美琴ちゃんだった。


「あ、待って美琴ちゃん!!」


私が美琴ちゃんの背中に向かって言うと驚いたように振り返り、ため息をついてから「おいで」と手招きされた。
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