ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜
薔薇は「吸血鬼」を意味する。


私はとても困惑した。


そんな話は、保育所の頃から一緒だったのに全く聞いたことがない。


「ごめん夢乃…。私、隠してた」


ショックだった。


美琴ちゃんは大親友だと思っていたのに、隠されていたことがまるで「夢乃は頼りにできない」とでも言われたかのような、裏切られた気がした。


そういえば、吸血鬼の存在は人間にはバレちゃいけないんだっけ。


それなら仕方ない…か。


「恋星さん、大丈夫ですか?」


江原先生が私を心配して声をかけてくれるが、明るく振る舞えない。


さらに、そんな私を突き放すかのような言葉を美琴ちゃんは言った。


「夢乃ごめん。皇くんと2人で少し話がしたいから、江原先生と席を外してくれる?」


その後「恋星さん行きましょう」と江原先生に言われるがまま、私は保健室を出ていった。


そして、隣の空き教室に私と江原先生は入った。


「ちょっと待ってね。ハーブティーを淹れるから」


私は何も言えず、ただコクっと頷いた。
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