ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜
こんな態度を取っても、困らせるだけなのに。


「先生には恋星さんと日向さんの関係は詳しくは分からないけど…。恋星さんにとって、日向さんはとても大切な人なのよね?」


「…はい、そうです」


忘れたほうが楽だったのかなとか、美琴ちゃんと出会わなければよかったのかなとか…ネガティブな考えしか出てこない。


いろいろな思考をぐるぐるさせているうちに、先生はハーブティーを淹れ終わったらしい。


それから、「はい、どうぞー」と言ってカップを渡してくれた。


江原先生の淹れてくれたハーブティーは、とても美味しかった。


「美味しいです。ありがとうございます」


「ふふっ。いいのよ」


穏やかに笑った先生はとてもきれいだった。


「恋星さんは、日向さんが吸血鬼だったことを知らなかったのよね?」


突然の質問に驚きながらも、しっかりと答える。


「はい。保育所からの仲なんですけど、全く知らなくって…」


私は辛くなって、苦笑いをする。


「無理に笑わなくていいのよ」


江原先生の言葉が、胸にストンと落ちてくる。


その言葉が今の私にはとても嬉しかった。


江原先生には、話してみてもいいのかもしれない。
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