鬱乙女ゲーム世界に転生したので漫才コンビ「悪役令嬢」で婚約解消いたします!
「でも、あなたの人生だし、恩だけで選ばないでよ」
「当然だよ。だって僕はその……君と、君と……!」
「私と?」
「どうしても……!」
「どうしても?」
「………………コンビでいたいんだ」
「やっぱり漫才が相当気に入ったのね」
前世のお笑い番組を見せてあげたいわ……って、そこでどうしてどよーんとするのよ。
「ね、ロゼリアは僕のことどう思ってる?」
なんで泣きそうな顔で聞くの。
「大切な幼馴染よ。側にいてくれると心強い大事な人」
「……ロゼリアは綺麗だ。いつも前向きで明るくて頭もよくて、それにいざって時にはすごく気品がある」
……それも、転生前の彼女だ。今も前の彼女と同様、いざという時には気品があるように見せかけているだけだし、いずれ王妃になるからと知識も詰め込まれただけだ。綺麗かどうかは……転生前の私よりかは綺麗ね。でも、薄紫の髪と瞳でパッとしないとはロゼリアがいつも思っていた影響で私までそう感じてしまう。
それに、アダムが綺麗すぎるのよ。
「君の横に並ぶ自信がないんだ」
「大丈夫よ、今日のあなたも堂々としていた。演じている時のあなたは別人よ。むしろコンビとして釣り合いがとれていないのは私の方よ。令嬢らしいのはむしろあなたよ」
「…………」
どうして目が死んだように……。
「君のね、僕への印象は分かってた、分かってたよ……」
「ど、どうしたの……?」
「もういい。あのね、これから文化をつくっていくのなら、生半可な覚悟じゃ駄目だと思うんだ」
「え、ええ……」
どうしたの?
こんなにやる気を見せるアダムなんて……おかしいわね、さっきまで死んだ魚のような目をしていたわよ?
「フランシス様とデートをする時間があるのなら、ネタを考えるべきだ! 自由になる時間を他に費やすなんてもってのほかだ!」
「…………」
「考えることはたくさんある。最初に観客の心を掴むためのネタ、飽きさせないテンポ、なるほどと思わず納得してしまうネタに、そんな馬鹿なと笑わせるネタ、その配分。自由な時間は僕とネタや進行について考えることに使うべきなんだ!」
「そ……そうね……」
こんなに漫才にやる気を持っているなんてと言いたいところだけど……そこまでフランシス様にこだわるなんて……もしかして? いや……もしかして?
あまりに可愛い顔をしているから気づかなかったけど……。
「当然だよ。だって僕はその……君と、君と……!」
「私と?」
「どうしても……!」
「どうしても?」
「………………コンビでいたいんだ」
「やっぱり漫才が相当気に入ったのね」
前世のお笑い番組を見せてあげたいわ……って、そこでどうしてどよーんとするのよ。
「ね、ロゼリアは僕のことどう思ってる?」
なんで泣きそうな顔で聞くの。
「大切な幼馴染よ。側にいてくれると心強い大事な人」
「……ロゼリアは綺麗だ。いつも前向きで明るくて頭もよくて、それにいざって時にはすごく気品がある」
……それも、転生前の彼女だ。今も前の彼女と同様、いざという時には気品があるように見せかけているだけだし、いずれ王妃になるからと知識も詰め込まれただけだ。綺麗かどうかは……転生前の私よりかは綺麗ね。でも、薄紫の髪と瞳でパッとしないとはロゼリアがいつも思っていた影響で私までそう感じてしまう。
それに、アダムが綺麗すぎるのよ。
「君の横に並ぶ自信がないんだ」
「大丈夫よ、今日のあなたも堂々としていた。演じている時のあなたは別人よ。むしろコンビとして釣り合いがとれていないのは私の方よ。令嬢らしいのはむしろあなたよ」
「…………」
どうして目が死んだように……。
「君のね、僕への印象は分かってた、分かってたよ……」
「ど、どうしたの……?」
「もういい。あのね、これから文化をつくっていくのなら、生半可な覚悟じゃ駄目だと思うんだ」
「え、ええ……」
どうしたの?
こんなにやる気を見せるアダムなんて……おかしいわね、さっきまで死んだ魚のような目をしていたわよ?
「フランシス様とデートをする時間があるのなら、ネタを考えるべきだ! 自由になる時間を他に費やすなんてもってのほかだ!」
「…………」
「考えることはたくさんある。最初に観客の心を掴むためのネタ、飽きさせないテンポ、なるほどと思わず納得してしまうネタに、そんな馬鹿なと笑わせるネタ、その配分。自由な時間は僕とネタや進行について考えることに使うべきなんだ!」
「そ……そうね……」
こんなに漫才にやる気を持っているなんてと言いたいところだけど……そこまでフランシス様にこだわるなんて……もしかして? いや……もしかして?
あまりに可愛い顔をしているから気づかなかったけど……。