離婚を前提にお付き合いしてください ~私を溺愛するハイスぺ夫は偽りの愛妻家でした~
 食事を終え、風呂も済ませた美鈴と千博はリビングのソファーに寄り添って座っている。

「今日も一日お疲れ様」
「美鈴もお疲れ様」

 千博の肩に頭を乗せ、体をもたせ掛ける。千博の腕は美鈴の肩に回され、時折美鈴を優しく擦る。

 こんなふうに誰かに甘えるなんて以前の美鈴にはなかったことだ。恋愛をしても、どちらかといえば美鈴が世話を焼く側で、甘えられることの方が多かった。

 目鼻立ちがはっきりとしていて、性格もさっぱりとしている方だから、そう見られることが多かったし、自分自身そういうタイプだと思っていた。

 けれど、不思議と今のこの関係は心地いいと思う。この人の前では己の弱さを見せたって構わない。それは深く安心できる世界に身を置いているような感覚で、代わりのない唯一無二の拠り所を与えられたような気分だ。
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